2024年4月3日水曜日

弦の長さとベルトランのパラドックス


これまでの「ランダムに引いた弦の長さ」の考察から「ベルトランのパラドックス」の確率を検証したい。

初めに、ベルトランのパラドックスについておさらいしておく。
半径が1の円にランダムに引いた弦の長さが√3以上になる確率について、


(1)円周上にランダムに2点をとって弦をつくったとき、確率は、1/3
(2)直径上にランダムな1点をとって弦をつくったとき、確率は、1/2
(3)円の内部にランダムな1点をとって弦をつくったとき、確率は、1/4

一方、「円の中にランダムに引いた弦の長さ」を調べてきた方法を整理すると、

(1)円周上に適当なに2点をとったとき(方法①②③)、弦の長さの変化は y=2sinθに従い、平均値は4/π(約1.27)


(2)直径上に適当な1点をとったとき(方法④)、弦の長さの変化は y=2√(2x-x^2) に従い、平均値はπ/2(約1.57)


(3)円の内部に適当な1点をとったとき(方法⑤)、弦の長さの変化は y=2√(1-(t/π))に従い、平均値は4/3(約1.33) ( tは打点を円周上にもつ円の面積に相等) 


これらについて、縦軸を弦の長さとしてスケールを合わせ、1つの座標平面にまとめてみると、次のようになる。
(1)変数θ  オレンジ y=2sin((π/2)x)
(2)変数x y=2√(2x-x^2) 
(3)変数t y=2√x


弦の長さが、√3よりも大きくなる(内接する正三角形の一辺より長くなる)ところは、それぞれ、
(1)オレンジ 0.66以上
(2)緑 0.5以上
(3)紺 0.75以上 になっていることが分かる。

すなわち、
(1)円周上に2点をとった場合、弦が√3より大きくなる確率は、1/3
(2)直径(半径)上に1点をとった場合、弦が√3より大きくなる確率は、1/2
(3)円の内部に1点をとった場合、弦が√3より大きくなる確率は、1/4 
となることが、弦の長さを調べた数式からも確かめられる。

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