2024年4月1日月曜日

ランダムに引いた弦の長さ(7)


2次元上の点をもとに定義する弦BCの長さについて、この起こりやすさをどのように組み込めば、その平均を求めることができるか、を考える。


θ=0として、原点からの距離がrである点Aに対する弦BCの長さは、f(r)=2√(1-r^2) (0≦r≦1) で表せる。
点Aの選ばれやすさを、仮に点Aが属する円周の長さで表すことにして、g(r)=2πr とする。
y軸に f(r) の値をとり、z軸に g(r) の値をとって、これらの積による長方形の面積を、r方向(x軸)に積分すれば、立体の体積が求められる。これを底面積で割れば、高さ(f(r)、すなわち弦BCの長さ)の平均値が求められると考えた。

いま、次のように4分の1円の中で、点Aの位置を表すrを、点Sからスタートさせて、半径SO上を動かし、SA=rとして、そのときの線分AB(弦BCの半分)の長さの変化を考える。


y=f(r)のグラフ(0≦r≦1)は、次のようになる。


すなわち、r=0のとき、AB=0、r=1のとき、AB=1であり、f(r)=√(2r-r^2) と表せる。

また、z=g(r)のグラフ(0≦r≦1)は、次のようになる。


すなわち、r=0のとき、弧AT=π/2、r=1のとき、弧AT=0であり、g(r)=(π/2)(1-r) と表せる。

立体を表現するのは難しいが、これらの積を r 方向に積分すると、
Integral{√(2r-r^2)・(π/2)(1-r)}dr (0→1)=[(π/6)(2r-r^2)^(3/2)](0→1)=π/6
この立体の高さの平均を求めるために、底面積 π/4 で割ると、(π/6)÷(π/4)=2/3 となる。
弦の長さはABの2倍なので、2/3×2=4/3 (≒1.33) が、方法⑤による弦の平均値ということになる。
 

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