2024年3月31日日曜日

ランダムに引いた弦の長さ(6)


「円の中にランダムに引いた弦の長さ」について、また違った方法を考える。

(3)円の内部に適当な点をとり、その点が中点となるような弦の長さはどれくらいになるか。

⑤ 方法5
下図のように、中心が原点にある単位円の内部に適当な点Aをとり、OAに垂直な直線を引くとき、点Aを中点とする弦BCが引ける。円の内部にランダムな点をとった場合に、この弦BCの長さの平均を求めたい。


これまでとは異なり、点Aは2次元表記が必要になる。
点Aは、直交座標で、(x,y) (ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x^2+y^2≦1)と表す方法もあるし、
極座標で、(r,θ) (ただし、0≦r≦1、0≦θ≦2π)と表す方法もある。ここでは極座標を用いて考える。

A(r,θ)を定めるとき、弦BCの長さは、2√(1-r^2) と表せる。θ は弦の長さには影響しない。
しかし、同じθ座標をもつOD上の点であっても、座標rが大きくなる(外周に近づく)と、その一周(点線)の長さが長くなることから、選ばれやすさも大きくなると思われる。


点Aと同じ半径rをもつ点の集まりは、2πrの長さの円周上の点であり、点A'と同じ半径r'をもつ点の集まりは、2πr'の長さの円周上の点であることから、点Aに対する点A'の選ばれやすさは、r':r といえるだろう。
点Aよりも内側の点が選ばれる確率(πr^2/π)に対して、点A'より内側の点が選ばれる可能性(πr'^2/π)は、r'^2:r^2 、すなわち、半径の比(r'/r)の2乗に比例するという言い方もできる。

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