2022年10月21日金曜日

リーグ戦の勝敗とゲーム差(1)

いよいよ明日からプロ野球の日本シリーズが始まる。
2022年のセ・パ両リーグの最終勝率とゲーム差は次の通りであった。


実は、今シーズンが始まってまもなくの3月30日、セリーグの勝敗に興味深い結果が見られた。


ゲーム差が「1.0、2.0、3.0、4.0、5.0」と、規則正しく並ぶという現象が見られたのだ。珍しそうなので、この新聞記事を切り取っておいたのだが、果たしてこの現象はどれくらい珍しいのだろうか、というのが今回のテーマ。

ここでは、次のような条件の下で勝敗パターンを調べることとする。
・参加チームが1戦ずつの総当たり戦(リーグ戦)を行ったら終了。
・一試合ごとに勝敗が決まる(引き分けはない)。
・どのチームも同じ程度に強い(勝ち負けは、50/50)。

いきなり6チームの場合を考えるのは難しいので、少ないチーム数から調べてみよう。

[1]2チームの場合
AチームとBチームが、1試合を行った場合、
① Aが1勝、Bが1敗
② Aが1敗、Bが1勝
の2通りのいずれかであり、どちらも同程度に起こりうる。このとき、ゲーム差は必ず「1.0」になる。

[2]3チームの場合
Aチーム、Bチーム、Cチームが、異なる相手と合計3試合を行った場合、
① Aが2勝、Bが1勝、cが0勝
② Aが2勝、Bが0勝、cが1勝
③ Aが1勝、Bが2勝、cが0勝
④ Aが1勝、Bが0勝、cが2勝
⑤ Aが0勝、Bが2勝、cが1勝
⑥ Aが0勝、Bが1勝、cが2勝
⑦ Aが1勝、Bが1勝、cが1勝
のいずれかになるが、「⑦ Aが1勝、Bが1勝、cが1勝」には、2通りが考えられる。
上の状況を表にして書き直すと、


このように、8通りが見つけられる。
3チームの勝敗パターンが8通りになることについて、次のように説明することができる。


右上の黄色いマスの○×によって、左下のマスの○×は自動的に決まる。つまり、場合の数は、黄色の3つのマスに○まはた×を入れる方法が何通りあるかを数えればよい。
つまり、この場合、2^3=8(通り)になるということだ。

次のようにも説明できる。
3チームで総当たり戦を行った場合の結果は、
(1) 2勝・1勝・0勝
(2) 1勝・1勝・1勝 の2通りある(2通りしかない)。
(1)については、A,B,Cの入れ替えが、3C1×2C1=3×2=6通り
(2)については、A>B>C(⑦)、A<B<C(⑧)のような関係で、2通り あることから、
これらを合わせて、8通りになる。

さて、このとき、勝率とゲーム差は次のようになる。
(1) の場合(①~⑥の場合)、勝率は「1.0、0.5、0.0」、ゲーム差は「―、1.0、2.0」、
(2) の場合(⑦~⑧の場合)、勝率は「0.5、0.5、0.5」、ゲーム差は「―、0.0、0.0」 となる。
したがって、3試合を終えて、ゲーム差が「―、1.0、2.0」(自然数列)になるのは、6/8(0.75)の確率といえる。

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