2024年3月27日水曜日

ランダムに引いた弦の長さ(2)

 
(1)円周上にランダムに2点をとるとき、2点間の距離はどれくらいになるか、の続き

③ 方法3
始線OAと動径OBのなす角をθとしつつ、弦の端点として点Aを使わずに、OAに垂直な線分BCによって、弦を定める。
この場合、ランダムとった2点としてはこれまで通り、A,B なのだが、A,B によって必然的に定められた点Cを用いて、BC間の距離を測るといった方法をとっている。


OB=1より、BC=2sinθと表せるので、前回の「② 方法2」と同じように、BCの長さについて、θ を 0→π/2 の範囲で積分して、π/2で割る作業を行う。
その平均値は、2÷(π/2)=4/π およそ、1.27 となる。

②と③を比べてみると、


②において、接線と弦のなす角がθのとき、∠AOB'(=2θ)の対辺AB'の長さを考えたが、これは、③における、∠BOC(=2θ)の対辺、すなわちOAに垂直な線分BCの長さに相当することがわかる。

このように、円周上にランダムに2点をとるとした考え方だけでも、いくつかの方法があるのだが、基本的に、動径OBを回転運動させ、点Bの経路である半円周を「1」とした確率(期待値)を扱っているという点で共通である。

さらに、点Bに対して、y軸に垂直な弦をとるような設定もできる。この場合、BCはこれまでとは違って、AB'に一致しない。しかし、下図より、BC= 2cosθとなることから、θ を 0→π/2 で積分して、π/2で割れば、同じ結果が得られることがわかる。


0 件のコメント:

コメントを投稿