引き続き、円の中にランダムに引いた弦の長さを調べる。
(2)半径(直径)上に適当な点をとるとき、その点を通り半径に垂直な弦の長さはどれくらいになるか
④ 方法4
下図のように、中心が原点にある単位円の半径OA上に適当な点Bをとり、Bを通りOAに垂直な弦CDの長さに注目する。
定点A(1,0)、動点B(x,0) とすると、点Cの座標は、(x,√(1ーx^2))と表せ、CD=2√(1ーx^2) となる。
点Bを、0≦x≦1 で動かすときのCDの長さの平均値(期待値)を求めるためには、
2√(1ーx^2) を 0→1 の範囲で積分すればよい。
つまり、上のグラフは、f(x)=2√(1ーx^2)(0≦x≦1)を示すが、x軸、y軸、f(x)で囲まれた面積は、
x=sinθ とおいて置換積分して、2((cosθ)^2)・cosθ=1+cos(2θ) を 0→π/2 で積分することになり、[θ+(1/2)sin(2θ)]( 0→π/4)=π/2 となる(半円の面積)。
これを (1ー0=1) の範囲で割って、その平均値は、π/2 およそ、1.57 となる。
③と④を比べてみよう。
③では、∠COA=θによって、弦CD=2sinθ と定義し、0≦θ≦π/2 の範囲でその変化を扱い、
④では、点Bの座標をxとして、弦CD=2√(1ーx^2) と定義し、0≦x≦1 の範囲でその変化を扱った。
どちらも、右半円の領域で、CDの長さを0から2まで変化させていることに変わりないのだが、
③では、平均値が、4/π(≒1.27)
④では、平均値が、π/2(≒1.57) という違いが現れた。
これは、円周上の点の集合を1(全体)としたものと、半径上の点の集合を1(全体)としたものの違い(確率測度の違い)によると考えられる。よく似たアプローチで解いているが、測度が異なると結果(平均の長さ)も異なるのである。
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