2022年2月23日水曜日

団子から考える(2)

③面心立方格子の場合


この団子は、菱形十二面体になるのであった。
菱形十二面体の体積の求め方もさまざま考えられる。

ここでは、「並べた団子をつぶす(2)」で見つけた「底辺1・高さ(√2)/2の二等辺三角形24枚で、四方六面体をつくろうとしたら、菱形十二面体になった」という考え方を使おう。


菱形十二面体は、立方体の6つの各面にこの二等辺三角形が4つ集まった屋根(ビラミッド)をつけたものと考えればよい。菱形十二面体の一辺の長さを1とすると、中央の立方体の一辺は、菱形の短対角線なので、2/(√3)。ピラミッドの高さは、h^2=1^2-((√2)/(√3))^2=1/3 より、h=1/(√3) になる(これは立方体の一辺の半分)。
したがって、全体の体積は、(2/(√3))^3+1/3×(2/(√3))^2×(1/(√3))×6=8/(3√3)+8/(3√3)=(16√3)/9≒3.08 となる。
実は、このビラミッド型の立体は、とがった方を内側にして6個くっつけると、中央の立方体と同じものになる。


一方、菱形十二面体の表面積は、短対角線が2/(√3)、長対角線が(2√2)/(√3)である菱形が12枚集まっていることから、1/2×2/(√3)×(2√2)/(√3)×12=8√2≒11.31 となる。

したがって、菱形十二面体の「表面積/体積」は、8√2÷(16√3)/9≒11.31÷3.08≒3.67

④稠密六方格子の場合


この団子は、菱形台形十二面体になるのだった。
稠密六方格子のビー玉ブロックは「同相双三角台塔」であるが、これは面心立方格子ブロックの「立方八面体」の下半分を60°回転させたものであった。同様に、菱形台形十二面体もまた、菱形十二面体の下半分を60°回転させたものと考えることができる。
すなわち、体積も表面積も、菱形十二面体と同じ値になる。

したがって、菱形台形十二面体の「表面積/体積」は、8√2÷(16√3)/9≒11.31÷3.08≒3.67

以上のことを整理しよう。
①単純立方格子(立方体)                   6.00
②体心立方格子(切頂八面体)            2.37
③面心立方格子(菱形十二面体)        3.67
④稠密六方格子(菱形台形十二面体) 3.67

正二十面体や球の方がこの値は小さくなるのではないか、という意見があるかもしれないが、ここでは、隙間のない、壁一枚で連なる、同じ大きさの部屋を想定しているので、空間充填立体のこれらの中に解を見つけるべきと思われる。
今回の結果からみると、たくさんの連続する部屋をつくるとき、壁の材料をできるだけ少なくしながら広い空間を確保するためには、「切頂八面体」が最も相応しく、その部屋の配置構造は「体心立方格子」構造になることがわかった。

茨城県の「水戸市森林公園」にはこの構造の遊具が設置されているらしい。外側から見るばかりでなく、内側の様子もわかって楽しい。なんとなく「4次元の蜂」になった気分だ。

https://mama-fuente.jp/article/childpark/4636

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