④[稠密六方格子]の場合
稠密六方格子の構造についても、ビー玉を積んで表す方法は何通りか考えられる。
(a)7-3-7型
上面と底面に正六角形状の7個、その間に3個の球を配置する稠密六方格子の典型的な構造。
(b)3-7-3型
上記の「7-3-7型」の積み方を変えたもの。中央の赤い球に着目すると、上に3個、周囲に6個、下に3個の計12個の球に囲まれた(接した)構造になっている。「面心立方格子」とよく似ているが、1層目の緑色と3層目の紫色の球が同じ方向を向いた正三角形になっており、これが上と下から赤色の球を挟むので、やや対称性を欠くことになる。
上面と底面に正六角形状の7個、その間に3個の球を配置する稠密六方格子の典型的な構造。
(b)3-7-3型
上記の「7-3-7型」の積み方を変えたもの。中央の赤い球に着目すると、上に3個、周囲に6個、下に3個の計12個の球に囲まれた(接した)構造になっている。「面心立方格子」とよく似ているが、1層目の緑色と3層目の紫色の球が同じ方向を向いた正三角形になっており、これが上と下から赤色の球を挟むので、やや対称性を欠くことになる。
面心立方格子の場合と同様に、周囲の青の層から圧迫された中央の球(赤色)は、側面を六角柱のように変形させられる。これを上から3つの紫色の球が押さえつけるので、とんがりの3面屋根が形成され、下から緑色の球が押し返し、やはりとんがりの3面床を形成すると考えられる。しかし、今回は、上下の正三角形の向きが同じであるので、とんがり屋根ととんがり床の向きが鏡対称になり、側面の上辺と下辺が平行でなくなると思われる。
ことばで説明するのは難しいので、これを厚紙でつくってみると。
ことばで説明するのは難しいので、これを厚紙でつくってみると。
これは、菱形台形十二面体と呼ばれ、菱形6枚と台形6枚から構成され、3面が集まる頂点が8個、4面が集まる頂点が6個ある。上の写真は、それぞれ、<上から>、<下から>、<横から>、<4面がつくる頂点側から>見たものである。
また、菱形台形十二面体も一種類だけで空間を充填することができる。
実際に、いくつかの菱形十二面体を積み重ねてみよう。
菱形十二面体と同様に、3つの立体の凹みに1個が乗るので、四面体構造になるのだが、異なるところは、1層目と2層目で屋根の3枚の菱形の向きが反転している(60°回転ともとれるが)ことだ。また、横から見ると、側面の台形の様子がよく分かる。
そして、菱形十二面体と菱形台形十二面体の決定的な違いは、この立体を3段に重ねたときに明らかになる。
<菱形十二面体の場合>
下の写真のように、3つの立体をくっつけて並べるとき、上からみた形と下から見た形が異なり、2段目を重ねるときには、その形が入れ替わる(同じ形がずれる、といってもよい)。3段目をその上におくとき、1段目の真上と異なる位置に凹みが現れるので、3段の立体の位置は真上方向にそろわない構造であることが分かる。
下の写真のように、3つの立体をくっつけて並べるとき、上からみた形と下から見た形が異なり、2段目を重ねるときには、その形が入れ替わる(同じ形がずれる、といってもよい)。3段目をその上におくとき、1段目の真上と異なる位置に凹みが現れるので、3段の立体の位置は真上方向にそろわない構造であることが分かる。
<菱形台形十二面体の場合>
3つの立体をくっつけて並べるとき、上から見た形と下から見た形は同じになる(一種類しかない)。そして、2段目を重ねたとき、2段目の凹みは必ず1段目の立体の真上の位置にくるので、3段目は1段目の真上にしか置けない。つまり、2層パターンが繰り返される形になるのだ。
参考までに、菱形台形十二面体(左)と菱形十二面体(右)の展開図は次の通り。
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