2022年2月24日木曜日

団子から考える(3)

「ビー玉を収める」「ビー玉を積む」「並べた団子をつぶす」でいろいろ調べていくうちに、新たな気づきがあった。その一つを紹介したい。

それぞれの格子構造を説明するため、その構造のモデルとしてビー玉のブロックをつくった。そして、それを覆う多面体の「ケース」を考えてきた。

「単純立方格子」の多面体ケースについては、ここで初めて取り扱う。


きれいに並んだ球を眺めると、単純立方格子構造の基本ブロックは、立方体でよいと思うかもしれないが、これまで各ブロックを定める際には、1個の球に注目してその周辺の球の配置を表すものとして作成してきた。たとえば、
体心立方格子は、1個を取り囲む14個の球によるブロック
面心立方格子は、1個を取り囲む12個の球によるブロック
稠密六方格子も、1個を取り囲む12個の球によるブロック という具合である。

単純立方格子の場合は、注目する1個に対して直交する3軸方向に隣り合うビー玉6個が取り囲んでいると見てよいだろう。(圧がかかったとき、中央の球が影響を受けるのはこの6方向の球である。)
前から、横から、上から見た並びが、どれも十文字に見えるこの形を、最小の平面で覆う多面体ケースを考えるとすれば、それは正八面体になる。


ということで、4種類の格子構造のデータがそろったので、整理してみよう。
まず、ブロック構造を表す多面体は、以下の通りであった。

①単純立方格子:正八面体
②体心立方格子:菱形十二面体(四方六面体)
③面心立方格子:立方八面体
④稠密六方格子:同相双三角台塔

また、各格子構造に並べた団子をつぶしてできた多面体は次の通りであった。

①単純立方格子:立方体
②体心立方格子:切頂八面体
③面心立方格子:菱形十二面体
④稠密六方格子:菱形台形十二面体

これらの立体について、各格子構造ごとに写真を並べて比べてみる。

①単純立方格子

ブロック構造:正八面体(頂点6、面8)
つぶれた団子:立方体(頂点8、面6)

②体心立方格子

ブロック構造:菱形十二面体(頂点14、面12)
つぶれた団子:切頂八面体(頂点24、面14)

③面心立方格子

ブロック構造:立方八面体(頂点12、面14)
つぶれた団子:菱形十二面体(頂点14、面12)

④稠密六方格子

ブロック構造:同相双三角台塔(頂点12、面14)
つぶれた団子:菱形台形十二面体(頂点14、面12)

いずれの場合も、それぞれの「ブロック構造」の多面体と、「つぶれた団子」の多面体は、双対多面体の関係(立体の頂点と面を入れ替えでできる立体の関係)になっていることに気づくだろうか。

どうしてそうなるのか考えてみた。でも、その話は明日に。

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