(3)統合的・発展的に考える
折り紙模様の特徴や対称性にだけ注目する取り組みもありうるが、一歩踏み込んで、その折り方について調べてみようと思う。
小片の先が45°(8つ折りまたは4つ折りという)や30°(12折りまたは6つ折り)になるように折る折り方については、誰もが納得できると思う。しかし、36°(10折りまたは5つ折り)については、どうしてそうなるのだろうと疑問をもったり、別の方法もあるのかなと考えたりすることがありそうである。
昨日やった、10折り(5つ折り)の折り方は、本当に正しかったんだろうか。という疑問からスタートしよう。
この折り方では、直角を挟む2辺が3:1である直角三角形をつくって、18°に近い折り目を求めて、そこから36°をつくった。
実は、tan θ=1/3 となるθは、約18.43°であり、わずかにズレ(2.4%)ている。
折り紙の10折り(5つ折り)の方法については、いくつか流儀のようなものがあって、ネットで紹介されているものには次のようなものがある。
(b)三角形に折って、4分の1の折り目をつける方法
(b)(c)どちらも、(a)と同様、3:1の辺をもつ直角三角形を利用して、36°(18°)の近似値を導く手法となっている。
これ以外の方法で、10折り(または5つ折り)を紹介するものは見当たらなかった。そこで、これらとは異なる方法で、もっと正確な36°をつくる折り方がないか考えてみた。
(d)4分の1の線に折り紙の角を重ねる方法(その1)
①折り紙をEFで半分に折り、更にGHで半分に折る。
②点Cと点Gを重ねて、点線の折り目をつけ、GHとの交点をIとする。
③点Iと点Eを重ねたときの折り目を一点鎖線で表すと、色のついた角が、約72°になる、というもの。
<その理由>
△GBCが3:4:5の直角三角形で、また、△IJGと相似であることから、GIの長さが分かる。
GE/GI=8/25=0.32より、∠EIG≒17.74°(ズレ度合い1.4%)。よって、色のついた角は、約72°になる。
(e)4分の1の線に折り紙の角を重ねる方法(その2)
①折り紙をEFで半分に折り、更にGHで半分に折る。
②点Aと点Hを重ねて、点線の折り目をつけ、GHとの交点をIとする。
③点Iと点Gの中点をJとし、点Jと点Fを重ねたときの折り目を一点鎖線で表すと、色のついた角が72°になる、というもの。
<その理由>
三角形の相似を使うと、JHの長さが分かる。HF/JH=16/49≒0.3265より、∠FJH≒18.08°(ズレ度合い0.4%)になる。よって、色のついた角は、約72°になる。
(e)の方法で、かなり正確な値に近づけることができた。とはいえ、これまでのいずれの場合も、近似値にすぎない。
正確な36°を求める折り方はあるのだろうか。その話は、明日に。
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