2022年9月21日水曜日

シャボン膜の形と長さ(1)

うちの子が小学生だったとき、夏休みの自由研究で「シャボン膜」の実験をしたことがあった。
一緒に実験道具をつくっていたのが懐かしい(3枚の写真は2004年のもの)。


アクリル板に6つの穴をあけたものを2枚用意し、ボルトとナットで六角支柱を挟んで、1.5cmの隙間をもつ平行板をつくる。


この6本の柱を適当に間引きして、そこにシャボン膜を張って、できた膜の形を調べようという実験である。

① 三角形の場合

正六角形の6つの頂点から3つを選んで三角形をつくる。このときできる三角形の形は次の3種類。(回転や裏返しで同じになるものを除く)


①-(a) 二等辺三角形の場合

シャボン膜は、三角形の短い2辺上の折れ線になる。


シャボン膜は、表面の面積を小さくしようとする力(水の表面張力)があるので、3点を結ぶ経路の和を最も小さくしようとする、という。
本当にこの形が最小といえるだろうか。

下図のように、△ABCの内部に適当な点Eをとって調べてみる。


ABを一辺とする正三角形ABD、BEを一辺とする正三角形BEFをつくるとき、
AE+BE+CE=DF+FE+ECとなる(∵ △AEB≡△DFB)。
すなわち、点Dから点Cに至る経路として、「D→F→E→C」よりも「D→B→C」の方が短いことが分かる。また、「D→B→C」は、2点DCを結ぶ直線上なので最短といえる。
よって、この図形の場合、点Eは点Bの位置に置くのが最良ということになる。

結論としては、上右図のように、ABを一辺とする正三角形ABDを描くとき、線分CDが最短になることから、シャボン膜は、「AB+BC」の折れ線となる。
なお、ABとBCのなす角は「120°」であり、正六角形の一辺の長さを1とすると、この膜の長さは「2」になる。

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