(4)創造性・独自性を磨く
折り紙で模様づくりを楽しむのに、厳密な方法の追求や証明は不要かもしれない。
でも、真面目な先生は、「学び方」を身につけてほしい、クリエイティブな人になってほしい、と願っている。だから、授業では「仕掛け」や「流れ」を大切にする。たとえば、「折り紙で模様づくり」のステップのように。
①予想する・やってみる(疑問をもって行動を起こす)
②振り返る・視野を広げる(数学的な要素を見つけてアプローチする)
③統合的・発展的に考える(学んだことを受けて自分の力を試す)
④創造性・独自性を磨く(自ら課題を見つけて新しい領域に挑戦する)
ちょっと無理矢理に小テーマをつけた感もあるけれど、①で終わってしまう授業はつまらない。①もやらずに、回転対称図形って簡単だよね、と済ます場合もあるかもしれないが。②では「対話的な学び」をイメージして問いかけを用意し、③ではオリジナリティを引き出すことを目指した。④は授業の中でなくてもOKで、自分で考える生徒が出てきたら大成功と考える。そのとき、誘い水になるような「窓」を見せるのは先生の仕事。
「10折り(5つ折り)ってどれもみんな近似値だよね。ネットで調べても正確な36°の折り方は見当たらなかった。挑戦しがいのある問題だと思うけど、折り紙の話はおしまいにして次の授業に行こうか。」なんて言われたら、チャレンジしようと思う生徒がでてくるかもしれない。
というわけで、正確な36°の10折り(5つ折り)で回転対称模様をつくる方法を考えてみた。
(f)辺の長さの比から36°の角度を導く方法
①折り紙をEFで半分に折り、更にAFを折る。
②折り目AFに辺ADを重ねたとき、辺CDの折れた点をGとする。
③点GがEF上に重なるように、辺DCを折ると、DG'と、ADに平行なHIのなす角が36°になる。
なぜ、これで36°が導けるのだろうか。
・AFの折り目をつけたとき、ここにできる△ABFは、1:2:√5の直角三角形である。
・ここで、正方形の一辺の長さを2としよう。
・点DをD'に移動したとき、ここにできる△AJKと△GD'Kは合同で、また、1:2:√5の直角三角形になる。
・GD'の長さをxとおくと、JK=x/2、KG=(√5)x/2となり、JK+KG=2なので、
(√5+1)x=4 x=4/(√5+1)=√5-1 となる。
・DG=√5-1を、DG'に写しとったとき、そこにできる△DG'Iは、DG':G'I=(√5-1):1になる。
・cosθ=1/(√5-1)=(1+√5)/4 となるθは、正確に36°のときである。
・ここで、正方形の一辺の長さを2としよう。
・点DをD'に移動したとき、ここにできる△AJKと△GD'Kは合同で、また、1:2:√5の直角三角形になる。
・GD'の長さをxとおくと、JK=x/2、KG=(√5)x/2となり、JK+KG=2なので、
(√5+1)x=4 x=4/(√5+1)=√5-1 となる。
・DG=√5-1を、DG'に写しとったとき、そこにできる△DG'Iは、DG':G'I=(√5-1):1になる。
・cosθ=1/(√5-1)=(1+√5)/4 となるθは、正確に36°のときである。
<確認>
θ=36°=π/5
2θ=πー3θ とおいて
sin 2θ=sin(πー3θ) を考える
2 sinθ cosθ=3 sinθー4 (sinθ)^3
2 cosθ=3ー4 (1ー(cosθ)^2)
4 (cosθ)^2-2 cosθー1=0
cosθ=(1±√(1+4))/4 cosθ>0より cosθ=(1+√5)/4
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