2022年3月9日水曜日

折り紙で色々な長さ(1)

折り紙の作図を使って、簡単な代数問題を解くことを考える。
たとえば、折り紙上に、長さ1とa が与えられたとき、a の逆数や平方数、平方根や立方根といった長さを求めるには、どのような折り方の手順を考えればよいか、探究テーマの一つとしてとりあげてみよう。

(1)a の逆数(1/a)の作図

[a>1  のとき]
図のように、辺BC上にE(1)、F(a) が与えられたとき、この折り紙上に 1/a の長さを作図することを考える。
まず、辺BCに垂直な折り線GEとHFを引き、BI=1とする辺ABに垂直な折り線IJを引く。折り線HFとIJの交点をPとし、折り線BPとGEの交点をQとするとき、△QBE∽△PBFより、BE:BF=QE:PF すなわち、1:a=QE:1より、QE=1/a となる。

[a<1  のとき]
図のように、辺BC上にE(a)、F(1)が与えられたとき、上と同様に折り線GE、HFおよび、BI=1である折り線IJを引き、折り線GEとIJの交点をP、折り線BPとHFの交点をQとする。このとき、△QBF∽△PBEより、BF:BE=QF:PE すなわち、1:a=QF:1より、QF=1/a となる。

(応用)
辺の長さが1と a である長方形の用紙を使って、1/a をつくる。
長方形ABCDにおいて、図のように、AE=BF=1となる折り線EFを引き、対角線BDとの交点をGとするとき、GFの長さが  1/a となる。
コピー用紙(A4判やB5判など)では、辺の比が 1:√2 なので、短辺の長さを1とするとき、長辺(√2)と長辺の半分の長さ(1/√2)は逆数の関係にある。すなわち、A3判とA4判を重ねることで、対角線を折らなくても点Gが求められる。

(2)a の平方(a^2)の作図

長さを2乗するとそれは面積になると考えがちだが、ここでは2乗の値をもつ「長さ」の作図を考えよう。

[方法1]
正方形ABCD の辺BC上に、E(1)、F(a)が与えられたときの a^2の長さを作図する。
図のように、辺BCに垂直な折り線GE、HFを引き、BI=a とする辺ABに垂直な折り線IJを引く。折り線GEとIJの交点をPとするとき、折り線BPとHFの交点Qは、QF=a^2 を表す点となる。
なぜなら、△PBE∽△QBFより、BE:BF=PE:QF 
すなわち、1:a=a:QF より、QF=a^2 がいえる。

[方法2]
辺BC上に、E(1)、F(a)が与えられたとき、図のように、辺BCに垂直な折り線GE、HFと、BI=aとする辺ABに垂直な折り線IJを引く。折り線GEとIJの交点をKとし、折り線BKを引いたあと、Kを通り折り線BK自身が重なるように折る(点Kにおける線分BKの垂線を引く/操作④)。その折り線と辺BCの交点をLとするとき、ELの長さが a^2 となる。
なぜなら、△BEK∽△KELより、BE:EK=KE:EL
すなわち、1:a=a:EL より、EL=a^2 がいえる。

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