2022年3月16日水曜日

サイコロゲーム(3)

(3)正四面体サイコロで得点を競う

昨日と同じ正四面体のサイコロを使った対戦ゲームをより高度にしてみた。

2チームに分かれて、これらいずれかのサイコロを1つ選び、これを同時に振って出た目を競うという点は同じだが、今回は次のようなルールによる対戦とする。
サイコロを振って出た目の差を得点(大きい方はプラス、小さいほうはマイナス)とし、これを2回試行したときの得点の合計の大きい方を勝ちとする。
このとき、サイコロA,B,C,Dの中で最強となるものはどれか。

1回振ったときに出る目の期待値はいずれも「2.5」であるから、得点の差は±0で、どれも一緒ではないかと考えてしまう人が多い。
この問題は予想するのも、検証するのもとても困難である。実際にすべての場合を列挙して確かめてみたが、なかなか面倒な作業であった。

①A型 vs B型
 1回目について、Aの出方が4通り、Bので方が4通りで16通り。
 2回目についても16通りあるので、全部で、16×16=256通りを調べることになる。
 結果:「1,2,3,4」(A)は、「2,2,2,4」(B)に対して、108勝102敗46分け
 A>B(Aの方が強い)
②A型 vs C型
 結果:「1,2,3,4」(A)は、「1,3,3,3」(C)に対して、102勝108敗46分け
 C>A(Cの方が強い)
③A型 vs D型
 結果:「1,2,3,4」(A)は、「1,1,4,4」(D)に対して、108勝108敗40分け
 A=D(勝負つかず、互角)
④B型 vs C型
 結果:「2,2,2,4」(B)は、「1,3,3,3」(C)に対して、67勝81敗108分け
 C>B(Cの方が強い)
⑤B型 vs D型
 結果:「2,2,2,4」(B)は、「1,1,4,4」(D)に対して、120勝132敗4分け
 D>B(Dの方が強い)
⑥C型 vs D型
 結果:「1,3,3,3」(B)は、「1,1,4,4」(D)に対して、132勝120敗4分け
 C>D(CDの方が強い)

以上の結果を整理すると、次の表のようになる。

結果からいえるのは、サイコロCがもっとも強く、すべての相手に勝つ、ということ。
サイコロAとサイコロDは、どちらもBに勝つが、Cに負け、AとD同士は互角となること。
そして、サイコロBはどの相手にも負けること。
もっとも、サイコロを振ったときに出る目は偶然に左右されるので、よほどたくさんの試行を繰り返さないとこの理論は実現しない、といわれそうだが。

サイコロを振るという簡単なゲームでもルールを少し変えるだけで、予測できないような過程や結果が展開する。このような多彩なバリエーションは、探究的な課題学習のテーマとしても面白いと思うがどうだろう。

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