(4)自己相似で拡大する立体
「四面体がいっぱい(2)」では、正四面体と正八面体を積み重ねて、拡大正四面体をつくった。
「正四面体がいっぱい(1)」では、立方体から三角錐を切り取る作業をした。そのときの切り取った三角錐と残された正四面体にも、同じような特徴(自己相似で拡大する)がみられる。
切り取った三角錐は4つで、正四面体と比べて高さが半分、ということであった。
すると、左の写真のようになる。このシーソーみたいな形をもう一つつくって、正四面体のもう一つの面にくっつけると、右の写真のような拡大三角錐ができあがるのだ。
拡大三角錐の辺の長さも高さも、もとの三角錐の2倍になることがわかるだろう。
これもまた、自己相似的に拡大させていくことが可能だ。
つまり、下の写真のような2種類のパーツで、空間を埋めることが可能ということだ。
なんとなく「ペンローズ・タイル」を連想してしまう。
なんとなく「ペンローズ・タイル」を連想してしまう。
正四面体と正八面体で空間が充填できるということと、その比率が、正四面体:正八面体=2:1であったことから、2つの正四面体と1つの正八面体からなるユニット(単位)を考えてみた。
正八面体に2つの正四面体をくっつける方法は、3通りある。
②と③については、このユニットを8個うまく組み合わせることで、自己相似形をつくることができた。
最後に、自己相似形の代表的なものとして、シェルピンスキーのギャスケットを紹介しよう。
平面の場合は、正三角形から辺の中点を結ぶ逆正三角形を切り取り、残った3つの正三角形からさらに逆正三角形を切り取り、・・・とすると、下のような自己相似形模様(相似的な繰り返し文様)が現れる。
この作業を正四面体の立体で行うと、もとの正四面体からびったり収まる正八面体を取り除き、残った4つの正四面体からまた正八面体を取り除き、・・・と繰り返すことによって、中身がスカスカな自己相似形の立体ができあがる。
取り除き作業を繰り返していくと、もとの大きな正四面体に対して、体積はどんどんと0に近づくのに、表面積(小さな正四面体の表面積の和)はもとの正四面体の表面積と変わらない。見る方向によって、隙間のない正方形に見えるなど、面白い性質をもっている。
ずいぶん前に、生徒たちと大きなシェルピンスキーギャスケットをつくったことがある。厚紙を折ってつくった1024個の小さな正四面体を積み上げていく作業はたいへんだったが、それに見合うだけの感動が得られた。
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