2022年3月8日火曜日

折り紙で辺のn等分(3)

(3)辺の n 等分の作図

折り紙による作図の基本操作をうまく使うことによって、辺の三等分だけでなく、一般的な n 等分点(有理数分点)を求めることができる。
 
[方法1] 相似形を用いる方法

正方形の1辺を1とする。
図のように、辺AD上に適当な点Eをとり、折り線BDとECの交点をFとし、点Fを通り辺ABに垂直な折り線と辺CDの交点をPとする。
① 点EがADの中点である(ED=1/2)とき、ED:BC=1:2より、DP=1/3
② ED=1/3のとき、ED:BC=1:3より、DP=1/4
③ ED=2/3のとき、ED:BC=2:3より、DP=2/5

これらを一般的に考えてみると、
ED=x、DP=y とするとき、(0<x<1、0<y<1)
x:1=y:(1ーy)   y=x(1ーy)   (x+1)y=x  ∴ y=x/(x+1)
すなわち、x の長さを 1/n とすると、y の長さは  1/(n+1) と表せるので、この操作を繰り返すことで、任意の数 n(紙を折ることが可能な範囲で)について、n 等分点を見出すことができる。

[方法2] 芳賀の定理を用いる方法

[1] 芳賀の第1定理の応用
図のように、辺AD上に適当な点Eをとり、点Cをこれに重ねて折り返す。このとき、点F、Gを図のように定め、
ED=x、AE=1ーx、AF=y、DG=z、GC=1ーz とすると、
x:z=y:(1ーx)  yz=x(1ーx)  ・・・(1)
x^2+z^2=(1ーz)^2  ・・・(2) 
これを解くと、y=2x/(1+x) 
これによって、x=1/2、1/3、1/4、・・・のとき、y=2/3、2/4、2/5、・・・のように、次々と有理数分点を見つけることができる。
たとえば、x=1/2 のときは、y=2/3 となって、「芳賀の第1定理」がいえる。
また、x=1/3 のとき、y=1/2 となるが、これは「芳賀の第3定理」と同じ内容を表している。

[2] 芳賀の2定理の応用
図のように、辺AD上に適当な点Eをとり、BEを折り線として点Aを折り返し、この移った点A’に点Cが重なるように折り線BFを定める。
AE=x、ED=1ーx、FC=y、DF=1ーy とすると、
(1ーx)^2+(1ーy)^2=(x+y)^2 より、2ー2xー2y=2xy
xy+y=1ーx   ∴ y=(1ーx)/(1+x)
これによって、x=1/2、1/3、1/4、・・・のとき、y=1/3、2/4、3/5、・・・のように、次々と有理数分点を見つけることができる。

[3] 芳賀の第3定理の応用
図のように、辺AD上に適当な点Eをとり、辺A’B’ を点E上に重ね、点B’ を辺CD上に重ねるように折り返す。このとき、点F、Gを図のように定め、ED=x、FC=y、DF=1ーy、GC=z、BG=1ーz とすると、
y^2+z^2=(1ーz)^2 より、y^2=1ー2z  ・・・(1)
x:(1ーy)=y:z より、 z=(y(1ーy))/x  ・・・(2) 
これを解いて、 y=x/(2ーx)
これによって、x=1/2、1/3、1/4、・・・のとき、y=1/3、1/5、1/7、・・・のように、次々と有理数分点を見つけることができる。

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