(2)正四面体を切る
昨日つくった正四面体を、今度は、正四面体の1つの面に平行で、辺の中点を含むように切断する。切り取った立体は小さな正四面体になることがわかる。では、この小さい正四面体は、もとの大きな正四面体からいくつ切り出せるか。また、切断して残った立体はどんな形になるか。
では、実際に切ってみよう。
正四面体は、これら5つの立体に分解される。逆に見れば、4つの正四面体と1つの正八面体で、一回り大きな正四面体がつくれるということだ。
ここで、前回測定した「二面角」を思い出してみよう。正四面体の二面角が「70.5°」、正八面体の二面角が「109.5°」であった。隣り合う正四面体と正八面体は、フラットな平面(180°)を生みだすことがこの数値からもわかる。
二面角の値から、正四面体だけでも正八面体だけでも空間を隙間なく埋めることはできないが、この2つを組み合わせれば空間を充填できるのではないか、ということが予想できる。
実際に、たくさんの正四面体と正八面体を組み合わせて、隙間なく充填できるかどうか確かめてみよう。
では、このようにして広い空間を正四面体と正八面体の2種類のパーツで充填していったとき、これらのパーツの「割合」(正四面体/正八面体)はどのようになるだろうか。
[1段] 正四面体:1個 正八面体:0個 割合:―
[2段] 正四面体:4個 正八面体:1個 割合:4.0
[3段] 正四面体:11個 正八面体:4個 割合:2.75
[4段] 正四面体:24個 正八面体:10個 割合:2.4
[5段] 正四面体:45個 正八面体:20個 割合:2.25
[n段] 正四面体:(1/3)×n×(n^2+2)個 正八面体:(1/6)×n×(n^2-1)個 割合:2.0に近づく
以前、次のような問題を見たことがある。
「すべての辺の長さが1の正四角錐(A)と正三角錐(正四面体:B)がある。AとBを1個ずつ、いずれかの正三角形の面をぴったりと貼り合わせるとき、できる立体は何面体か。」というもの。
5面体と4面体を貼り合わせるので、5+4-2=7で、「7面体」としてはいけないのだろうな、ということは予想されるが、頭の中で正解を導くのは難しい。
しかし、この正四面体と正八面体の積み木を経験した人は、なんとなく気づくのではないだろうか。
ついでに、これにもう一つ正四面体(B)をくっつけても「五面体」のままである。
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